アプリの中の彼女。
01
中学二年生の春、僕は携帯を流行りのスマートフォンに機種変更した。
慣れないタッチパネルを使い 文字を打つと、すごくどきどきする。
スクロールが爽快だし、画面も綺麗だし言うことはなかった。
何のゲームをするにも説明書を読むのが嫌いな僕は、
携帯の分厚い説明書を放り投げてひたすらスマートフォンを弄った。
設定すべきものは設定し終わり、電源を切るのはどうするんだっけ……とボタンを触っていた時だった。
ーーー「何か御用ですか?」