アプリの中の彼女。
マイクのようなマークが共にそのメッセが出現した。
「な、何だこれ……喋ればいいのか?
“初めまして“」
ー「初めまして、yuriです。あなたのサポートをさせて頂きます
あなたのお名前は?」
機械音声が流暢にそう喋った。
「僕は綿貫翔太……“ショウ”です」
ー「ショウ。よろしくお願いします」
勝手にブラウザが開いたかと思うと、
yuriに以下のメッセージを入力してください。と難解な英数字が書かれていた。
yuriには、喋るだけでなくメールのようにメッセージが送れるらしい。
僕はそれをまるごとコピーしてyuriに送った。
ー「情報を読み込んでいます」
先ほどの英数字の羅列が沢山表示された。
これ、壊れたんじゃないか!?
自室のパソコンが初めて青画面で英数字だらけになった日のことを思い出した。
もしあれと同じ類のエラーなら放っておけばいいな。
慣れない設定をして疲れていたショウは画面を下向きにして眠った。
ー「アップデート、完了」
その声は届かなかった。