愛するが故に・・・
私は隣の無口な??男に話しかけた。

「私…今日でここの仕事最後なんです。
 私の代わりに、となりにいるこの子がこれからお相手させていただければと思うのですが…」


私の声に敏感に反応を示した。

「違う店に行くのか?」

『いえ…違います。このお仕事はアルバイトでしたから、
 昼間のお仕事が決まったんです。 ですから…』


「そうか…
 ・・・・お前がいないなら、もうこの店では飲むことはない。
 だから、お前はさがれ」

私の友人を指差し、さがれと言い放った。

友人もそう言われたら、さがるしかない…
自分のお客を待たせてまで来てもらっていたのに…


私は友人と顔を見合わせ、さがってもらった。

『すいません。勝手をしまして…』
私は男に頭を下げた。


「いや…それがこの店のやり方だ。問題はない。
 ・・・・・・」

男からは何か話が続きそうな感じ。
私は、男の顔を見て、次の言葉を待った。

「・・・理香。店をやめたらもう会えないのか?」

私は、思いもしない言葉をかけられて言葉に詰まった。
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