愛するが故に・・・
この店に来てから、
お客からの言葉に私の頭のコンピューターは適当な言葉をいつもはじき出していたというのに…
こんなときに言葉に詰まるとは…


私が無言になると…

「今日はアフター付き合え。いいな。
 それから、最後ならば、あいさつ回りもあるだろう…
 他の席に行って来い。俺は一人で飲んでいる。
 マネージャーを呼べ」


相変わらず、口を開くと俺様な感じだ。


『ありがとうございます。では、少しの間失礼します…』

私は頭を下げ、中座をした。


この男の席についてから、初めての中座だ。
それがラストの日にあるとは夢にも思っていなかった。


VIP席を離れると、マネージャーによんでいることを伝え、
私はヘルプでもお世話になっていた、色々なお客様の元へと挨拶に回った。


大体聞かれるのは、店を変わるのか?だった。
素直に昼の仕事に就くと言うと、おめでとうと言ってくれた…


たくさんのお客様のお相手をして、
最後のお客様を見送った時、すでに日付が変わっていた。
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