愛するが故に・・・
これの繰り返し。

そして、一時間が経過しようとしていた頃…

私の数少ないお客様が来店したと黒服が呼びに来た。

いつものように、となりに座る男に声をかけて、
席を立とうとしたとき、男が私の腕をつかんだ。

そして

「座れ」

と命令した。

私を呼びに来た黒服も困っているようだ。

男は黒服に店で一番高い酒を持ってくるように伝えた

そんなことをしてまで、私を隣にいさせたいのかわからなかった。

お酒が運ばれてくると私は、新しいグラスにお酒を作った。


でも、今までの時間と変わらず、会話がない…
この沈黙はかなりつらいものだった。

この時間も男は書類を手にしていた。

ただ、この男の飲み代が私のバイト代にも関わるからまじめに働いた。

私は、この長い沈黙をいかに過ごすかを考えた。
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