【完】甘い生活~危険な幼なじみに溺愛されて~【下】:近々加筆修正予定
もわもわと湯気をたてるココアに映る、淀んだ加奈の顔は、淋しげに揺れていた。
「好きな奴が居るって。
酷いよね。結婚式まで決めててさ
……愛人の方に、行くなんてーーーー」
その時、加奈の大きな目から、大粒の涙がこぼれ落ちた。
ーーーー似てる、と思った。
俺は裏切られた訳じゃ無いけど。どこか似てるって。だからなのか、俺は加奈をそっと抱き寄せた。
「……泣くなよ、加奈……」
そう言うと、加奈はいっそう大きな声でしゃくりあげたけど。