青い星〜Blue Star〜
さて、何をしようか…
たまには朝の散歩でもしようか。
そうと決まれば早速奏は運動しやすい服に着替え、肩甲骨のあたりまである少し長めの髪を一纏めにし高く結った。
そうだ、ゆきの奴も誘ってやろう。
あいつ、最近胸と腹が競争し始めたとか言っていたからな。
ゆきとは奏が大学に入ってからできた親友だ。
背が低めだが可愛らしい顔立ちをしているためモテる。
しかしそんな外見とは裏腹にサバサバした性格で自分がモテることをリーダー格の女子に非難された時も「だって、私可愛いもの。適当に媚売れば勝手に寄ってくるわ。」とあっけらかんに言ってのけ、周りを驚かせたものだ。
私自身も割りと大雑把で思ったことをすぐ口に出すタイプだからそんな彼女とも波長が合い、それから何かと一緒に出掛けたりするうちに互いに信頼しあった関係になった次第である。
実はそのゆき、私が今住んでいるマンションの向かいの一軒家に住んでいる。
私は大学を理由に神奈川県から京都に引っ越したが、彼女は故郷がここで、即ち実家住まいなのだ。
朝早い時間に訪ねるのは御家族に迷惑かと思いきや、ゆきの家、富田一家はゆき以外皆早起きで5時にはゆき以外起床しているので別段迷惑ではない。
ケータイ、iPod、財布を持って私は家を出た。