カナリアちゃんの恋模様【完】
キョロキョロと周りを見回してみたけど、まだそれらしい人は店内にはいないようだ。
そう思って、軽くため息をつき、頬杖をついた。
と、その時、
『…あの、すみません…ここで…オレと同じくらいの背の男…見ませんでしたか?』
急に声をかけられた。
…もしかして、敦也くんの待ち合わせの相手かな?
そう思って、くるりと振り返った私。
そして…そこにいたのは、
ちょっとくせっ毛の黒髪。
キリッとした目元。
爽やかな笑顔を携えた…いかにもモテそうなタイプの男の人が立っていた。
年は、たぶん同い年ぐらいだ。