カナリアちゃんの恋模様【完】
『よかった、梨杏のこと置いて帰っちゃったから…怒ってるかと…』
安心したようにホッと、胸を撫で下ろす里美の後ろから、
『だから、大丈夫だって言ったろ??ね、梨杏ちゃん』
そう言いながら、敦也くんが私に話しかけてきた。
『あ、まぁ…』
曖昧にそう呟き、苦笑いを浮かべる私。
そんな私を気にもとめず、敦也くんはニコニコ楽しそうに微笑みながら、
『昨日は、ありがとうね、柊斗いい奴だったでしょ?』
そう言った。