カナリアちゃんの恋模様【完】
『…私、帰る…』
数分後、映画館についた途端、どうして里美が敦也くんの言葉を遮ったのか理解した。
『やっぱり、言うと思った、もう、前売り券買ったんだし、ここまできたなら見るしかないでしょ!』
ウキウキと楽しそうな里美。
『…だって、私がホラー無理なの里美しってんじゃん!』
そうなんだ。今回、里美たちが見ようとしている映画は、最近怖いと有名なホラー映画。
実は、私、極度の怖がり。
私の中の嫌いなものベスト3には、ホラー系のものが含まれている。
『え〜?チケットとるの大変だったんだよ〜?』
と、文句を言う里美。