スクランブル
電話

「ドンウクー俺、ジョンフン。」

「ジョン、また韓国に来たのか?」

「いや、日本だけど。」

「釜山に来た時、酒でも飲みたかったな。」

「そうだよ。なのになんでユナをよこすかな~?」

「やっぱりまずかった?

 ユナ、ジョンに一度どうしても会いたいって、ずっと言ってたからさー。」

「彼氏いたんだろ?」

「あー。それがとんでもない奴だったみたいで…」

「どういうことだよ。」

「なんかDVっていうの?暴力ふるうらしくて。」

「えっ?」

「なのに謝ってすがりつかれて、別れることもできなかったみたいで。」

「そうだったのか…そんなこと俺には何も言わなくて。

 俺にしてみりゃ、やっぱ終わってたつーか。

 ユナに何もしてやれなかった。」

「そっか。あれからユナ、俺にもピタッと連絡よこさなくなって…

どうなっちまったのか?」

「ドンウク、お前から電話してやれよ。

 俺がいうのもなんだけど、ユナが不幸なのはやっぱやるせないし。」
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