スクランブル
「よっ!

 何でこんなところにいるのさ?」

「通りがかりよ。

 仕事何時に終わる?」

「わかんねぇよ。」

「冷たいじゃない。会社変わる前は、しょっちゅう会ってたのに。

 まさか、また違う女に手出したとか?」

「…」

「隠さなくてもいいのよ。

 結局、あたしのとこに戻ってくるんだから。

 今日は、あきらめる。

 明日休みでしょ。うちにおいでよ。

 じゃ、待ってるから。」

手をひらっと振って自動ドアを出て行った。
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