オネェはしたたかに罠を張る
ヘタしたら一週間に一度のペースでラブアタックを受けているし、差し入れなんてしょっちゅう。
バレンタインなんて死ぬかと思ったわ。
彼(……)の直属の部下っていう理由だけでチョコを押し付けられるわ押し付けられるわ。
私はプレゼント斡旋係じゃない!!……なんて入社二年目の若手が言える訳もなく、両手一杯に可愛くラッピングされたチョコを抱えてドシドシ届けましたよ。
テンコ盛りの荷物を渡した時の彼(……)の顔は、何だか哀愁が漂っていて本当に綺麗だったものだ。(あの時は女子が倒れて仕事が大変だった……)
本人にとってはいい迷惑なんだと分かるけれど、女子っつうのはイケメンには勝手に群がるもの。
例え、例え相手が『絶対』に自分に振り向く事は無いと分かっていても、それは変わらない。