ひだまりの若葉~砂漠の女王~
「みずみずしく、

 広いオアシス。

 砂漠の〝奇跡〟


 砂漠では決して、

 ありえないはず。

〝暖か〟だなんて。


 砂漠を焦がすは

 灼熱のたいよう

 それがここでは

〝ひだまりになる〟」


マリはしばらく動けませんでした。

息さえ止めて、聴き入っていました。

歌が終わったあとも、しばらくはその余韻にぼうっとしていました。


「それは……なんという書物からの引用ですか?」


彼は照れたように笑いました。


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