わかってるさ、お茶だろう?

 返事がない。

 もどかしくてもうこいつ置いていってやろうかと思う頃、耳に口が近づけられた。

 『…誘ってないなら、意識させるような服装、しないで』

 驚いて顔を上げれば、無表情は妖艶な笑みに変わっていた。

 こんな顔、知らない。

 真っ赤になった真弓に文が笑顔のまま口角を上げた。


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