君のコト。~最後に初めての"大好き"~
沈黙が続く。
聞こえてくるのは翔のすすり泣く声だけ。
「...ゆんちゃん?」
突然、翔があたしの名前を呼んだ。
翔のそのあとの言葉に恐怖を覚えながらあたしは応える。
「...何?」
あたしが返事をすると彼は少し間をあけてから再び話しだした。
「俺な、ゆんちゃんと離れてもずっと好きやけん」
「うん...」
「だから...」
翔は泣きながら続けた。
「俺の分まで彼氏に幸せにしてもらってな?...いつか会いに行くけん。その時は笑顔で久しぶりって言うけん。...待っててな?」
あたしは涙が止まらなかった...。
この時、翔の言葉で改めて実感した...本当の別れなんだと...。
やっぱりあたしには何もできなかった。
上手く励ますことも...。