君のコト。~最後に初めての"大好き"~
―――別れの日。
ついに来たんだね、この日が...。
0時を回り翔が施設へ行く日。
あたしと翔は最後の電話をなかなか切れずにその日を迎えた。
「ゆんちゃん...俺、ゆんちゃんが大好きやけん」
「...ありがとう」
「ゆんちゃんの笑ってる声が大好きやけん」
「...そうだったの?」
「頑張って励ましてくれるゆんちゃんが大好きやけん」
「...えへへ」
「そんな優しいゆんちゃんが大好きやけん...」
「...恥ずかしいよ」
「彼氏さんには勝てんけど、俺は俺なりにゆんちゃんが大好きやけん」
「...うん」
「だから...言って...大好き...って...」
翔はあたしに初めて求めた。
"大好きって言って"と。
あたしには彼氏が居る。
誰よりも大切で大好きな彼氏が居る。
だけど、この時のあたしは言ったんだ。
翔に初めて...
「あたしも翔が大好きだよ...」
って...。