―――あの日の約束を。




―パチ


目を開けると、白い天井。

ズキズキ痛む体。


家族が寄ってきて、慌てている。

音が聞こえない。


医者が来て、診察して、時間が経つにつれ聞こえるようになる声。


私はここで初めて言葉を発した。

「いつ退院できるの?もうすぐ―」

言葉は遮られて、
「もうちょっとかかりそうかな。」
重たくお母さんは応えた。


もうすぐ県大会なのに。

せっかく勝ち取ったチケットなのに。
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