天使の舞―後編―
かくして、健康な成人天使であるキャスパトレイユは、日々ストレスを抱えて過ごしていた。


気づくと暗い表情で、ため息をつくキャスパトレイユを心配したシュカが、わざわざ声をかけてきたほどだ。


「俺・・・こんなに我慢したの初めてだ。
自分を褒めてやりたい。
これは、賞賛に値する行為だぞ。
そうだよな、シュカ。」


「はぁ・・・そうですな。
ご立派でございます。」


「だろ?俺、偉いよな?」


頷いてはみたものの、シュカにその言葉の意味は、全く分かってはいない。


「でもさ。」


「はい?」


「俺、もう限界なんだよぉ!!」


爆発したようにそう言い棄てて、突然走り去るキャスパトレイユ。


その姿を見送るシュカには、心配だけが残ったが、理由が分からない以上、どうすることもできなかった。
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