天使の舞―後編―
その夜、シュカに気持ちを吐き出したキャスパトレイユは、決意を秘めてベットに潜り込んだ。


先にベットに横になっていた乃莉子も、そんなキャスパトレイユの異変に気がついた様子である。


いつもなら、背中から回ってくる手が、今日は正面からだったからだ。


乃莉子の方も実は、今夜こそ、キャスパトレイユの手を叩くのを止めようと、そう決意していた。


お互い、いいタイミングを迎えたのだろう。


どちらからともなく、自然に唇を重ねていた。


「俺は今日、乃莉子の言う事は聞かないぞ。」


「・・・いいよ。
私の心の準備も、整ったから。」


ニッとキャスパトレイユは、あの魅力的な笑顔で乃莉子に応えた。


そして力いっぱい乃莉子を抱きしめる。


「二人で、幸せを紡いでいこう。」


コクンと乃莉子は頷いた。
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