天使の舞―後編―
そんな無情なキャスパトレイユが、今は乃莉子に情だらけである。


色んな事を試されて、疲れて眠る乃莉子の体を、しっかりと抱きしめて朝を迎える毎日だ。


最早、抱き枕と化した乃莉子を手放す気は、キャスパトレイユにはなかった。


ある日。


会議に向かう途中の廊下で、すっかり元の俺様王子に戻ったキャスパレイユに遭遇したシュカが、嬉しそうに声をかけてきた。


「キャスパトレイユ様は、お元気を取り戻されたようですな。
安心致しましたぞ。」


「あぁ・・・そんな時もあったな。
シュカに声をかけてもらって、俺、ふっ切れたんだ。」


「さようでしたか。
して、何をふっ切ったのでございますか?」


シュカはずっと抱いていた疑問を、投げかけてみる。
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