天使の舞―後編―
自分の背中を擦るキャスパトレイユに、乃莉子は苦し気に話す。


「謝って・・・。
2人を疑った事・・・謝ってよ、キャス・・・。」


「え・・・あ・・・。」


「は・・・やく・・・。」


「疑って、悪かったよ。
ごめんな。
これでいいか?乃莉子。」


「ごめ・・・ね・・・。
ライラさん・・・トルティナさん・・・。
いたっ・・・。」


「乃莉子!大丈夫か?
つぅか、医者!
お前達、医者呼んだのかよ!」


「あっ、いけない!
お医者様をお呼びする途中で、キャスパトレイユ様にお会いしたんでした!」


「何やってんだよライラ!
俺より医者だろ!」


「はい。今すぐに!」


ライラは、踵を返す。


が・・・。


「いっ・・・あぁぁぁぁ!!」


乃莉子の叫び声で、ライラは立ち止まった。

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