天使の舞―後編―
「乃莉子!頑張れ!」


キャスパトレイユは嬉しさのあまり、無意識にそう叫んでしまった。


そのキャスパトレイユの声に呼応するかのように

バサァ・・・!

と、白いふわふわが全容を現した。


「翼・・・。」


ライラは、口元に手を当てて呟き、トルティナは驚きの表情を隠せないでいる。


キャスパトレイユは、満面の笑みで、妃の誕生を喜び、乃莉子の背中を見つめた。


黄金の粉をキラキラと撒き散らし、乃莉子の背中から堂々と顔を出したのは、真っ白い大きな翼であったのだ。


その場に佇む乃莉子の姿は、美しい天使そのものであり、真の妃に贈られた翼には、柔らかな威厳さえ感じる。


「乃莉子・・・。」


穏やかに微笑みを浮かべるキャスパトレイユは、真に愛し合えた喜びを噛み締めていた。


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