天使の舞―後編―
羽ばたきよ届け
天界の王子の妃に、翼が舞い降りた事は、瞬く間に天界中に知れ渡った。
噂は風になり、魔界へも届けられ、2人をよく知るアマネとシラサギは、遅いくらいだと言わんばかりに、祝福を送った。
ただ、魔王となり魔界を守る立場に座ったアマネは、その翼から舞い上がる羽ばたきが、魔界に降り注がれない事だけが、残念でならない。
人間に与えられた翼には、その羽ばたきにこそ、意味がある。
天使でも、悪魔でも、その羽ばたきを浴びた者は100%の確率で、ちゃんと翼を持った子を産む事が出来るからだ。
アマネは、隣に寄り添うシラサギに悟られないように、苦い笑いを浮かべた。
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天王宮、乃莉子の衣裳部屋では。
キャスパトレイユとの挙式に向けて、乃莉子がウエディングドレスを試着している最中であった。
自分の好みを乃莉子に押しつけようと、キャスパトレイユは、この部屋に当然のように同席し、口やかましく指示を出しているのである。
噂は風になり、魔界へも届けられ、2人をよく知るアマネとシラサギは、遅いくらいだと言わんばかりに、祝福を送った。
ただ、魔王となり魔界を守る立場に座ったアマネは、その翼から舞い上がる羽ばたきが、魔界に降り注がれない事だけが、残念でならない。
人間に与えられた翼には、その羽ばたきにこそ、意味がある。
天使でも、悪魔でも、その羽ばたきを浴びた者は100%の確率で、ちゃんと翼を持った子を産む事が出来るからだ。
アマネは、隣に寄り添うシラサギに悟られないように、苦い笑いを浮かべた。
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天王宮、乃莉子の衣裳部屋では。
キャスパトレイユとの挙式に向けて、乃莉子がウエディングドレスを試着している最中であった。
自分の好みを乃莉子に押しつけようと、キャスパトレイユは、この部屋に当然のように同席し、口やかましく指示を出しているのである。