天使の舞―後編―
自室に到着して、キャスパトレイユは、頭を抱えてしゃがみこんだ。


今まで色んな娘達に手を出しては、偽りの愛を語ってきた。


自分がこれまでしてきた、数々の所業が思い起こされて、自己嫌悪の気持ちにさえなる。


キャスパトレイユが彼女等に囁いてきた言葉は、間違いなく上辺だけのものであった。


愛してるとか好きだとか、その場しのぎの言葉で娘達をその気にさせておいて、肝心のキャスパトレイユはというと、娘達に全く本気には、なれずにいたのだ。


キャスパトレイユは抱えていた頭を、ゆっくりと叩く。


そして、考えた・・・。


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