天使の舞―後編―
「へ・・・へぇ・・・。」


「ちょっと難しかったか?」


「ん~・・・。
難しいって言うか・・・そうだったんだ、って・・・思った。」


神妙な面持ちで、乃莉子はキャスパトレイユを見つめた。


「でも・・・だからって・・・。
考えが違うって理由で、増えなくてもいいだなんて・・・。
私は、そうは思えないな・・・。」


「確かに、言いすぎかもしれねぇけど。
だって、面倒くせぇじゃんか。
いちいち対立すんの。」


「それは、キャス個人の問題でしょ。
私、悪魔って、もっとこう・・・見た目も怖くて、槍みたいな尻尾があって・・・みたいなのを、想像してたから。
なのに、アマネはあり得ないくらいイケメンで格好よかったし、ヨゾラくんもすごく頼れて優しかったから、私、びっくりしちゃった。」


「・・・・・・・・・・。
誰がイケメンで格好いいって?
誰が頼れて優しいって?」


ピクッとキャスパトレイユの眉が動き、たちまち周りに不穏な空気が漂う。
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