天使の舞―後編―
パチパチと瞬きをして、キャスパトレイユは、乃莉子をじっと見つめる。
「乃莉子は俺に会えて、嬉しくねぇの?
さっきから、やたら冷たい態度に感じるんだけど。」
「当然でしょ?
貴方は、天使の娘達に求婚している、天界の王子なのよ。
逆に、なんでここへ来るのかが、分からないわ。
私なんかにかまってないで、早く居るべき場所へ、戻りなさいよ。
ライラさん達が、王子様の帰りを待ってるわよ。」
フイッとキャスから顔を背けて、乃莉子はご機嫌斜めに嫌味をぶつけた。
乃莉子自身これが、焼きもちを妬いている行動だとは、これっぽっちも思っていない。
23歳の、この歳になるまで、男性との恋愛沙汰には、とんと無縁だった乃莉子は、嫉妬の感覚すら、よく分かっていなかった。
一方の、色恋沙汰には百戦錬磨のキャスパトレイユは、すぐに乃莉子の言葉の意味を理解して、満面の笑みで、乃莉子が背けた顔に、自分の顔を近づける。
「乃莉子は俺に会えて、嬉しくねぇの?
さっきから、やたら冷たい態度に感じるんだけど。」
「当然でしょ?
貴方は、天使の娘達に求婚している、天界の王子なのよ。
逆に、なんでここへ来るのかが、分からないわ。
私なんかにかまってないで、早く居るべき場所へ、戻りなさいよ。
ライラさん達が、王子様の帰りを待ってるわよ。」
フイッとキャスから顔を背けて、乃莉子はご機嫌斜めに嫌味をぶつけた。
乃莉子自身これが、焼きもちを妬いている行動だとは、これっぽっちも思っていない。
23歳の、この歳になるまで、男性との恋愛沙汰には、とんと無縁だった乃莉子は、嫉妬の感覚すら、よく分かっていなかった。
一方の、色恋沙汰には百戦錬磨のキャスパトレイユは、すぐに乃莉子の言葉の意味を理解して、満面の笑みで、乃莉子が背けた顔に、自分の顔を近づける。