天使の舞―後編―
額に手を当てて、がっくりと項垂れるアマネを横目に、イザヨイは無邪気な声を上げた。
「ねぇねぇ、お兄様!
あたし人間になりたいの!」
「お前はまた、突拍子もないことを・・・。」
「キャスパトレイユ様の、妃になりたいんだもん!」
「・・・・・・・・・・!?
なれる訳ないだろ!!」
「え~?どうして~?
お兄様あたしね、キャスパトレイユ様の記憶を、すり替えようと思うの!
乃莉子を想うキャスパトレイユ様の記憶は、あたしに向くわ。
いいアイディアでしょ?
だから、あたしを人間にしてよ。
キャスパトレイユ様が、愛しているのは、人間だから。
記憶の辻褄は、合わせておかないとね。」
アマネの腕を掴み、ブンブンと大きく振って、駄々をこねるイザヨイを、アマネは軽く睨む。
「無理だ。部屋へ戻れ。」
短い言葉を残して、アマネは王の間へと、踵を返した。
久々の兄妹の対面は、ほんのわずかな時間で、打ち切られてしまったのだった。
「ねぇねぇ、お兄様!
あたし人間になりたいの!」
「お前はまた、突拍子もないことを・・・。」
「キャスパトレイユ様の、妃になりたいんだもん!」
「・・・・・・・・・・!?
なれる訳ないだろ!!」
「え~?どうして~?
お兄様あたしね、キャスパトレイユ様の記憶を、すり替えようと思うの!
乃莉子を想うキャスパトレイユ様の記憶は、あたしに向くわ。
いいアイディアでしょ?
だから、あたしを人間にしてよ。
キャスパトレイユ様が、愛しているのは、人間だから。
記憶の辻褄は、合わせておかないとね。」
アマネの腕を掴み、ブンブンと大きく振って、駄々をこねるイザヨイを、アマネは軽く睨む。
「無理だ。部屋へ戻れ。」
短い言葉を残して、アマネは王の間へと、踵を返した。
久々の兄妹の対面は、ほんのわずかな時間で、打ち切られてしまったのだった。