天使の舞―後編―

イザヨイは、よくメルヘンを利用してくれる、近くの高校の生徒と同じ制服に身を包み、恥ずかしそうにモジモジした。


「どうですか？キャスパトレイユ様。
似合っているかなぁ。
あたし、乃莉子より若いし、可愛いですよね？」


「はっ？
突然、何を言い出すんだ？
お前になんか、興味ねぇよ。
退け！俺は帰る。」


「え～、帰しませんよ。
突然ですけど、キャスパトレイユ様にお願いがあるんです。
あたしをお妃様にして下さい。そして、天界に行きましょ！」


「･･････････。」


キャスパトレイユは、無表情でしばらくイザヨイを見つめ、無言のまま歩き出した。


「ちょっと、キャスパトレイユ様ひど～い。
何か言って下さいよ。」


慌ててイザヨイは、キャスパトレイユを引き留める。


自分の横を無言で通り過ぎようとする、キャスパトレイユの手を握ったのだ。


「離せよ。」


美少女に手を握られて、さすがのキャスパトレイユもリアクションをおこしてくれるだろうと、笑顔を向けるイザヨイに、冷たい視線を浴びせたキャスパトレイユ。