天使の舞―後編―
「つ･･･。」


キャスパトレイユは耐え難い頭の痛みに、思わず声を漏らす。


「キャスパトレイユ様！しっかりなさって下さい。
今、医師を呼んで参りますわ。」


ライラがその場を離れようとした時、王宮から中庭への出入り口に、人影が見えた。


藍色の髪をした美少年と、その後ろには･･･


「の･･･乃莉子様･･･!?」


ライラは一刻も早く医師の元へと駆け出そうとしたのだが、自分の目に映うった人影を確認して、声を上げずにはいられなかった。


そして、美少年にも。


「あなた･･･！
魔界の者が、なぜここに居るのです！」


ライラの言葉を聞いて、皆一斉に視線を移した。


一方、見られている当人達は、何食わぬ顔で笑いあっていた。


「こっちに歩いて、大正解!!
イザヨイ、見つけた！」


「ヨゾラくん、すご～い！
尊敬しちゃう！」


ハイタッチまでしている２人は、場の雰囲気を全く無視しての、大騒ぎである。

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