天使の舞―後編―

  必死の誘惑

王宮の一室。


ここは、大きな窓から一杯に、光差し込むキャスパトレイユの部屋。


キャスパトレイユは念願叶って、乃莉子を自室に招くことに、やっと成功した。


「なんか・・・久しぶりに会った気がするな。」


「そう?」


部屋の扉を閉めるなり、背中からギュッと乃莉子を抱きしめる、キャスパトレイユ。


「ちょっと!キャス!」


部屋の中を見渡していた乃莉子は、咄嗟に抵抗してしまう。


「もうお前は、俺のモノだ。
俺の好きなように、させてもらうぞ。」


「キャスったら。
勝手なこと言わないでよ。
私は、私だから。
誰のモノでもないから。」


「は・・・!?
それは乃莉子が間違ってる。
お前は俺のモノなの。」


不敵な笑みを浮かべながら、最上級の気分で、キャスパトレイユは言ってのけた。

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