天使の舞―後編―
乃莉子をクルッと自分の方に向かせて、キャスパトレイユは真剣な表情をする。


「乃莉子。
人間界での暮らし、楽しかったよな。
毎日さ･･･他愛のない話して、笑い合って、一緒に飯食って。
そんな何でもない生活が、俺は、すげー幸せだったけど、乃莉子はどうだった？」


「うん･･･私も幸せだった。
あのねキャス。
ここへ来る前に、私オムライス食べたんだ。
１人で食べたオムライスはね、ちっとも美味しくなかったの。
もう、キャスが居ない暮らしなんて考えられないよ。
１ヶ月待ってくれて、ありがとう。
よく分かった。」


「そうか。」


キャスパトレイユは、ニッと笑う。


「乃莉子が、ここに来てくれたって事はさ。
このまま天界に居てくれるって、思ってもいいんだよな？」


確認するように、キャスパトレイユは乃莉子を覗き込む。


軽く下を向いてから、乃莉子は柔らかい瞳でキャスパトレイユに微笑んだ。


「･･･うん。」


「･･･乃莉子！！」


キャスパトレイユは、夢中で乃莉子を抱きしめていた。

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