天使の舞―後編―
「キャス!落ち着いて!」


乃莉子を抱きしめたキャスパトレイユは、それだけでは物足りず、乃莉子の腰に手を移動させて持ち上げると、クルクルと回り出したのだ。


あまりの嬉しさに、キャスパトレイユは自分を押さえることが出来ず、どうやってこの気持ちを吐き出せばいいのか分からない。


乃莉子の言葉に、キャスパトレイユは従いたくても、どうもこうも気持ちと体が、言うことを聞いてくれない。


「キャス!下ろして!」


再びキャスパトレイユに訴える乃莉子。


弾む息を整えてから、静かにキャスパトレイユは、乃莉子を床の上に立たせた。


でも、嬉しすぎて感情をコントロールできないキャスパトレイユは、すぐさま乃莉子を抱き寄せる。


「俺、嬉しくて狂いそう。」


「大袈裟だよ・・・。」


呆れた笑いで、乃莉子は答えた。

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