天使の舞―後編―
フゥと軽く息を吐いて、コホンとわざとらしく咳払いしたキャスパトレイユは、片膝を付き乃莉子に向き合った。


「キャス?どうしたの?」


腰をかがめて、乃莉子は小首を傾げる。


「乃莉子。」


「うん?」


キャスパトレイユは、乃莉子の手をとり、そっと甲に口づけた。


「え?なに?キャス?」


戸惑う乃莉子に、キャスパトレイユは真剣な瞳を向ける。


「・・・どうしちゃったの?」


「乃莉子。」


「・・・う・・・ん?」


キョトンと乃莉子は、キャスパトレイユを見つめる。


「正式に申し込みたい。
・・・俺の妃になってほしい。」


「・・・キャス・・・。」


「返事は?」


「・・・・・・・・・・。
・・・・・はい・・・・・。」


ニコッと笑う乃莉子。


その笑顔を見て、キャスパトレイユは立ち上がる。


「よぉし!!!」


渾身のガッツポーズで、キャスパトレイユは溢れる想いを、表した。
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