天使か!?
「母親!?
なんだ、お前は無事なのか……」
「うん
私の高校卒業を境に母は仕事辞めて、家に居るようになったの
そっから父のDVが始まってね……
それで一人暮らししてるの」
「じゃあまだDVは続いてんの?」
「うん」
「…………いいのかよ
母親がそんな目にあってんのに
何とかしようとしなくていいのかよ
一人暮らし…って自分だけその問題から逃げてるだけだろ」
やべ、少し口調が強くなっちまった
「そうだよね……
そんなこと私もわかってる
母親を見捨ててるってことも」
「じゃあなんで……」
「………多分、関係ないから
私、両親のこと一回も家族だと思ったことないの
幼稚園……いや、生まれた時からずっと放置されてたの
両親は仕事で子供の相手してる暇がなかったの
だから子守りや家事は全部家政婦
保護者会、運動会、入学式、卒業式……
一回も親に来てもらったことなんてない
それ以外でも顔を合わせることはほとんどない
だから……どうでもいいって思っちゃうのかも
DVされようが、何されようが」