もしも愛が買えるなら
あたしなんて、親と同居で親に甘えっぱなし。

給料も全部自分で使っていた。


「ミユキちゃん、ごめん! 変な話をしちゃったね。俺の事情とか気にしないで!」

「でも……」

「ほんと、こんな話するつもりなかったんだよ。ついミユキちゃんには話しちゃったけど……」

「話してくれて嬉しい。リョウ君のこと、もっと知りたいし」


本音だった。

リョウがあたしに気を許してくれたことが、本当に嬉しかった。


「何でも私に話して欲しいと思ってる。愚痴でも、辛いことでも」


リョウはじっとあたしを見つめた。


「ミユキ……。ありがとう」


あたしはこの時、本気でリョウの力になりたいと思っていた。
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