もしも愛が買えるなら
今日のデートも、幻になって消えてしまいそう。

あたしは慌てて言う。


「リョウ君の予定に合わせるよ! 夜ならいつでもオッケーだし!」

「うん……」

「会う場所だって、リョウ君の便利な所まで行くから!」


あたしは必死だった。


「じゃあ今度は、俺の部屋に来る?」

「う、うん」


リョウの部屋……

部屋で二人きりのシーンを想像し、あたしは頬の火照りを感じた。

きっと今、あたしの顔は真っ赤。

恥ずかしさを誤魔化すように、あたしは話す。


「リョウ君の部屋って、どこにあるの?」

「下北沢。新宿から小田急線で10分くらいの所」

「わかった! なら今度はそこに行くから」

「楽しみだよ」

「いつ頃、会えそう?」


あたしは“しつこい”と思いつつ、確認せずにいられない。

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