カラス
「そうですね、すみませんでした」
彼は気付いている。
だって、お腹を抱えて笑っているもの。
「優輝さんっ!」
咎めるように声を上げると、
彼は目に涙を浮かべながら平謝り。
「はは、これは失礼。では、また後程」
優輝さんは私の頭に
優しく手を乗せて撫でる。
なんだか、子ども扱いされてるようで、
好きなんだけどっ!!
撫でられることは好きなんだけどっ!!
ムーとなるほうが大きかったらしい。
「私は帰りますからっ!!
優輝さんなんて、知りませんからっ!!」
とことこ、屋敷の方へ戻る。
扉も音を大きく鳴らして閉めてあげた。