カラス
*
「伊織さん、お話があります」
そう優輝さんから言われ、
私の自室へとパーティーから抜け出したのは、
少し前。
私の部屋に入ってから、
彼はまだ一言も話さない。
「なぁに?お話しって」
「…………」
声をかけてみても、彼は無言なのだ。
いくら相手が大好きな優輝さんでも、
沈黙はさすがに気まずいものがある。
ほのぼのとした空気ならな〜、
良かったのに…。
今はピリピリとした、
何か重大発表でも始まる勢いだ。
何を言うのかな……?
け、結婚の発表、と、とかだったりして////