黄昏の出会い

◇東京に行くまで

-翌日。




繁ジィに命を言い渡されて、1日経った。



あの後、繁ジィが一族全員集めて、今回の事の全て告白した。



出張先から呼ばれて一時的に戻って来た父さんも、突然の事に驚いていた。



弟の日向(ヒナタ)と朝華(アサハナ)姉さんは私が行く事に異議を出していたが、管理局の事を聞くと渋々分かってくれたようだ。



あの2人も、
管理局を快く思わない心当たりがあるから。



自室のベッドに寝っ転がり、昨日の事をボンヤリと思い出す。



·転校は一週間後

·早めに荷物をまとめること

·次の週に入ったら、担任に転校する事を説明する事

·後輩の美羽に説明する事。

·仕事の事は、天ヶ星の人間には秘密



不思議に心の中は静かだ。




昨日あんなに嫌がっていたのがウソのようだ。




立場上、遠い所へ訪れる事は何度かあったが…



転校は初めてだった。



九条の術士が倒れた今、向こうの治安も心配だし………




最近神ヶ岡にいるのも嫌気がさして来た頃。



……案外、転校も悪くないかもしれない。




……どっちにしろ、天瀬一族当主である繁ジィの命令は絶対だ。




逆らう事はできない。





仕事の事は、別に構わない。






それが術士である私の、運命だと思っているから。





だが、問題なのは……



---美羽に、どう伝えるかだ。




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