黄昏の出会い
☆第1章

◇いつも通りの日々

「……!

……瀬さん!

天瀬さん!?」


「んー……、
………ん?」



呼ばれた声に顔を上げると、担任の山田先生が目の前に立っていた。



あー…寝てたか。



「もうHRよ。
早く起きなさい。」


「んー…。
起きる起きる。」



半分意識が眠ったまま起立する。



山田は煩わしそうに溜め息を吐いて、教壇に戻って号令をかける。



キーンコーンカーンコーン…



放課後になった。



私はジジィから「今すぐ帰れ」と言うメールで、教室を出た。



-階段を降りる途中、“気”を感じた。



「…マジか。」



来た道を引き戻して、“気”の元へ向かう。



* * *



-理科室。



部屋に入ると、気-妖気が充満していた。



私はメガネを取り、ネクタイを緩める。


髪の結紐を解き、後ろに束ねていた長い髪が下ろした直後、霊力が解放される。



「-空間を閉じ込めよ。」




手で印を結び、理科室の周りに結界を貼る。



『-キキッ!!』



結界に反応したのか、コウモリの形をした妖怪が姿を現した。




無数の妖達の目は、餌を求める獣の目で、私を見ていた。




『-キキィッ!!』




妖達が私に襲いかかって来た。



一歩引いて、息を整え印を結ぶ。




「-オンアビウンキャン、シャラクタン!」




霊力を爆発させ、妖達を吹き飛ばした。



妖達は私の攻撃で消滅した。




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