黄昏の出会い
《天ヶ星学園》。



ここ最近人気校として注目されている私立校。



イケメンが多い事と制服のデザインがいいのがウリらしい。


黒のブレザーに色が選べるシャツ。



左腕に学園の校章入り。



ネクタイとスカートは、コバルトブルーと白のラインが入ったチェック柄。



カーディガンは自由。



まぁ確かに、センスはいい。



私からみてもカワイイ制服だ。



一部のマニアには、高値がつくほど人気らしい……。



制服を着ると、
もう天ヶ星の生徒になったんだと思い知る。


人生初の単身赴任………。



気を引き締めて行くか………。




* * *


「担任の花沢夢子です。
よろしくね。」


「こちらこそ。」


2年B組の担任の花沢先生がにこやかに手を出してきて、私も手を握り返して挨拶する。


小柄でぽっちゃり系のかわいらしい女性だ。



花沢先生の後について、教室へ向かう。


~♪~♪♪~


………?


誰だ?
私のじゃないよな…?


「あぁはいもしもし。


……あら、エミちゃんでしゅか!


おばさんでしゅよ~!」






…ええぇぇえ…。


花沢先生、ケータイ出ちゃったよ…。


つか、エミちゃんって誰…?



花沢先生は、構わず電話を続ける。



「悩みがある?
…人は何故山に登るのか?」


「あ…あの……。」

「砂山の頂上でもうそこまで辿り着いたんでしゅか!


しゅごいでしゅね~!」



「……あのっ!!
…教室ココじゃないですか?」



私達の真横には、2年B組のドア。



お取り込み中とはいえ、このままじゃ通り過ぎてしまう。



「あらゴメンなさい。


さてさて……。」



…………不安になってきた………。




< 20 / 62 >

この作品をシェア

pagetop