黄昏の出会い

◇初仕事

-放課後。



あの破天荒なホームルームはなんとか終了し、何事もなく授業が進み、放課後に入った。



「-ここが生物準備室よ。
で、この先は…。」


私は今、夏野に連れられて、学校案内の最中だ。



夏野エリカ。
夏野理事長の孫娘。



何でも母親がアメリカ人のハーフらしい。


色白の肌に陽の光のような金髪。



アメジメント色のパッチリした瞳。



とても美人で、暗い私とは正反対の太陽のような容姿だ。



そんな美貌と少し強気な彼女の性格は、かなりモテる。



…にも関わらず、本人は男嫌いらしい。



学校案内を自分から買って出たり、


昼休み一緒に弁当を食べてくれたり、


……スゴく良くしてくれる。


私も最初は人見知りが出てしまったが…


話してみると本当にいい人で、異国の血が入っているせいか、すぐに馴染んだ。


夏野と話している内に朝迷い込んだ中庭に出た。


「-あ、
この先は行かない方がいいわ。」


「え?」



夏野が先の方向を見て、苦そうな表情をした。


「あの先は、
水月がいるから。」


「…水月?」



水月って…隣の席の銀髪だよな?



-氷室水月(ヒムロスイゲツ)。




容姿端麗·成績優秀。




あの美しい容姿とクールな振る舞いでファンクラブがあるほどの美男子。








…だが、
無口で常に無表情。


物事に無関心で、告白されてもバッサリ切り捨てる事から付いた異名は





“『氷の王子』”



人嫌いと言う説があり、基本1人でいる事から孤高の存在だとか。



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