黄昏の出会い
「い、いえ……、そうではなくですね-」


「第一、一応護身術を一通り習ってるし、術も使える。

沙那だって知ってるだろ?」


「そ…
そういう問題ではなくてですね……」




「…それ以前に、私みたいな不気味女、相手にする男なんていないから。」




「……………………。」



…何で黙るんだ?




繁ジィと言い、沙那と言い、変なの。




結局訳分からないまま、夕飯の時間が過ぎた。




* * *


(沙那side)


-午後20時。



主様はお夕飯の後、丑三つ時(午前2時)のお仕事の為に、お部屋で仮眠を取りました。





その間、主様が使用される霊符などの呪具の用意·手入れをします。




主様の身のお世話をするのも、使い魔たる私·沙那のお役目。





「…それにしても、どうして主様はこうも自覚がないのでしょう………。」





霊符を作りながら、つい愚痴をこぼしてしまう。






主様はご自分を不気味と仰っていましたが………、





主様がメガネを外して、髪を下ろした本来のお姿は、とても美人さんなのです。




主様が美人さんなのは幼少の頃からで、お世辞を抜きにしても、人間の中ではかなりの美人さんと断言してもいい。






……肝心の主様本人は……………かなりの無自覚さんですが………………。



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