黄昏の出会い
「…………っ!?
氷室っっ!?」



美術室の教壇の傍に、氷室が座り込んでいた。




氷室は私の突然の登場に驚いている様子。



「……そ、そなた……。

何故……?」


いや、それこっちのセリフだよね!?


なんで氷室がいるんだ!?



「……っ、
なんでココにいる?
危ないって、言ったハズだけど?」


何とか動揺を抑えて、氷室に聞いてみる。



「…すまない。
片付けが終わらなくて、この時間になってしまった…。」


「片づけ?」



よく見ると、美術室全体が道具でゴタゴタしていた。



「帰ろうとした所に、頼まれてな……。」


「…って、
ずっとやってたのかっ!?」



今5時前だぞ!?


もう日が暮れるし!!



「…結局帰れずに、ココに残ってしまったのだ。

そなたは、陰陽師の…?」


「え?
あぁ……まぁ。」



昨日の、覚えてたのか……。



忘れてた訳じゃなかったんだ……。




……いや、それはともかく。



「片づけか…。
それなら仕方ないか。
後は私がやるから帰んな。」


「それはダメだ。」


なんでっっ!?∑



「…これは、我の仕事。
最後まで終わらせなくては。」


「…いや、危ないから。
私がやっとくから-」


「だが引き受けた以上、放棄出来ぬ。」


……意外と頑固だな。

キレイな顔してる割には。



だけど、ココで「はいそうですか」と言う訳には……。



ふと、策を思いついた。




「……じゃあ、私も手伝う。
それならいいだろ?」



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