黄昏の出会い
* * *
-放課後。
あれから平凡に時間が過ぎていった。
……朝は非凡だったが。
…もう二度と電車には乗らねぇ……。
密かに心に誓った時だった。
「あ、
お-い、天瀬。」
廊下を渡っていると、世界史の山田が声をかけてきた。
「天瀬!
悪いんだがこのプリント、第2資料室に頼めるか?」
そう言って山田はドン、と私に渡していく。
…ちょっ、まだ了承してないんだけど。
「第2資料室は、旧校舎だから。
頼むな~~。」
山田はそう言うないなや、そそくさとどこかに行ってしまった。
……まあいいや、どうせ見回りあるし。
そう結論を出して、人気のない廊下を渡った。
* * *
「え-と………
確かこの先だよな……。」
旧校舎は、今の校舎から離れた所にある。
もう大分古くなって、生徒のほとんどは近寄らない(………とエリカから聞いた。)
「……天瀬?」
後ろから声がかけられた。
聞き慣れてきた、低くて静かな声---
「………氷室?」
後ろに振り向くと、声の主·氷室がいた。
「氷室……。
何でココに……?」
「帰ろうとした時、そなたを見かけた。」
淡々と氷室が答える。
スクールバックを持っているのを見て、本当なのだと知る。
不意に、氷室が私とは別に視線を向けていたのに気づいた。
視線を辿ってみると………私が持っている、もう使われないプリント。