黄昏の出会い
「…それは?」


「山田に頼まれた。」


「…第2資料室か?」

「そう。」


ココで会話が途切れ、沈黙が流れ……




「…我も行こう。」


そう言って、私からプリント半分持っていった。



「へ!?
ちょ……氷室!?」


「この前の礼だ。」


「いや、いいよそんなの…!
平気だから---」

「それに、資料室がどこか知らぬだろう?」


氷室のそのセリフにうっ、と言葉が詰まる。




確かに、資料室の場所………………知らない。



「…行くぞ。」


「ちょっ…!?
待ってっ!!」


スタスタと先に行く氷室に、慌てて後を追う。




* * *


-旧校舎。


「けほっ……。
ホコリくさ……。」

いくら使われてないからって……換気位しとけよ……!!


悪態付きながらも、資料を整理していく。



因みに、氷室には正体バレたから変装は解いた。


だってあの格好面倒だし、こっちのが楽だし。



「…これで終わったぞ。」


ずっと黙って整理していた氷室が声かける。


「こっちも。
ありがと、氷室。」

私の礼に氷室はコクリと頷いた。


それを返事と取り、資料室のドアノブに手をかける。






--ガタン!!



……………………………






ん?



-ガタン!!ガタン!!ガタン!!



今度は強めに押したり引いたりしてみたが………。



--ガタン!!



なんか大きくぶつけたような音が出るだけ。


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