Oh!
「じゃあ、安奈を返してもらうよ」

「――わわっ…!」

当麻に腕を引っ張られ、あたしは胸の中へ入られた。

「会社には、さっき仕事が終わってまっすぐ帰るって電話したから。

君たちは早く帰って話しあいをするように。

じゃあ、また」

あたしと当麻は湯川さんたちの前を去った。

「――当麻?」

たくましい腕の持ち主を見あげると、
「無事でよかったよ」

当麻はあたしの顔を見た後で呟くように言うと、息を吐いた。
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