Oh!
「――そう」

あたしは素っ気なく返した。

当麻だって、お互い様じゃない。

光の加減に寄っては青緑色にも見える、ツヤのある黒髪。

白人のような白い肌とコーヒー色の瞳は、外国人だった母方のおばあちゃんからの隔世遺伝だ。

スッと通った鼻筋に、ぽってりとした紅い唇。

中学高校大学とハンドボールをやっていたと言うこともあってか、肩幅は広く、がっしりとしている。

「僕さ、久しぶりに安奈に再会できて嬉しいんだ」

僕――1人称すらも変わっていなくて、あたしはつい笑ってしまいそうになる。

彼は幼い頃から自分のことを“僕”と呼んでいた。

30近くになっても、まだ“僕”か…。
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