頑張れ舞
誰のセーター?
由紀と分かれて、自宅に着いた舞は毛糸を抱えて2階の自分の部屋に駆け込んだ。
「よしっ!やるぞ」
編み物の本を片手にガッツポーズした。
「………………」
全然っわかんない…
頭を抱えてベッドっに寝そべった。
そこへ……
「お姉ちゃん!入るよ」
ガラッと戸が開いて入ってきた。
「なにぃ~入るよって もう入ってるじゃん」
2つ下の妹の愛だ。
「あれっ?お姉ちゃん もしかしてセーターでも編む気してんの?」
信じらんなぁ~い
と言う馬鹿にした顔で笑う。
「うっうるさい!邪魔だから出てけっ」
愛の背中を押して部屋から追い出す。
「たくっ~何しに来たんだ」
とは、言ったものの………
パラパラっとページをめくる。
こんなの作れる訳がない………
カラカラっと又、戸がゆっくり開いた。
「お姉ちゃん?これっ見てみたら?初心者用の本!セーター何て最初から無理なんだから!特にお姉ちゃんは!取りあえず簡単なマフラーなんか良いんじゃない?」
確かに…………
素直に受け取った。